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今回は、スバル車のメンテナンスとして、エンジンを綺麗に保つガソリン添加剤 PEAを紹介します。
ガソリン添加剤は様々なメーカーから数多くの種類が販売されていますが、一番安心できるのはやっぱりスバル純正品ですよね。
実は、スバルの純正品として、洗浄成分（ポリエーテルアミン）を高濃度に含んだ添加剤が販売されています。
そこで、洗浄成分ポリエーテルアミンを高濃度に含有しているスバル純正PEAの効果と必要性について紹介します。
※PEAとは、POLYETHER AMINE（ポリエーテルアミン）の頭文字です。
目次
添加剤無しではエンジン内部が汚れています
添加剤無しではエンジン内部が汚れていくことはご存じですか？
ガソリン中の芳香族炭化水素が原因
レギュラーガソリンにしても、ハイオクガソリンにしても、濃度の違いはあれど、芳香族炭化水素が含まれています。
芳香族炭化水素とは、ベンゼン環を持っている炭化水素のことであり、
- トルエン
- キシレン
などが代表例です。
芳香族炭化水素は、ガソリンのオクタン価を向上させるために投入されているのですが、ベンゼン環自身が燃焼せず集合体を形成することで、エンジン内部に煤（ガーボン）が付着してしまいます。
ハイオク車はより汚れやすい
みなさんは、ハイオク車とレギュラー車、どっちがエンジンが汚れやすいと思いますか？
実は、
ハイオクの方が汚れやすいのです！
理由は単純で、オクタン価を向上させるためにトルエンを主成分として芳香族炭化水素をドーピングしているから。
エンジンに負荷のかかる高圧縮比やブースト圧の上昇によるノッキング対策のために添加された芳香族炭化水素自身が、汚れの原因であり、ハイパワーでハイオク指定のスバル車ほど、カーボンの影響を受けやすくなっています。
ハイオクの洗浄剤では不十分
キープクリーンとクリーンアップ
ハイオクはエンジン内部が汚れやすいガソリンであり、その対策として洗浄剤が添加されています。
しかし、洗浄剤の効果の違いによって、
- キープクリーン効果
- クリーンアップ効果
の2種類があるのです。
| 新規の汚れ →ハイオクの燃焼で生じた新規のカーボンなどを抑える |
既存の汚れ →今まで累積で蓄積したカーボンなどを除去 |
代表銘柄 | |
| キープクリーン | 洗浄効果あり | 洗浄効果なし | 全銘柄 ※ハイオク混合出荷 |
| クリーンアップ | 洗浄効果あり | 洗浄効果あり | V-Power（販売終了予定） ヴィーゴ（販売終了） |
つまり・・・
キープクリーン効果は、新規の汚れは抑えることはできますが、今までに累積したカーボンまでは除去できません。
また、付着を「抑える」程度であり、完全には防止できないので、若干でもカーボンが累積していきます。
一方、クリーンアップ効果は、累積したカーボンにも洗浄能力を発揮する理想的な燃料です。
しかし、現存する銘柄はV-Powerだけ。
そのV-Powerも2023年までに販売が終了します。
自衛手段が必要
頼みの綱であったV-Powerも、出光興産に買収されたことによって、もうすぐ消滅します。
そのため、手に入るハイオクはすべてキープクリーン効果しかありません。
放置すると累積していくカーボンに対抗するためには、良質な添加剤による自衛手段が必要になります。
スバル純正PEAとは？
クリーンアップ効果を実現する高濃度ポリエーテルアミン
ここまで紹介したように、
- キープクリーン効果
- クリーンアップ効果
の決定的な違いはエンジン洗浄能力であり、全ては洗浄成分の濃度によって決まります。
そして、その洗浄剤の成分とは、ずばり「ポリエーテルアミン」です。
つまり、キープクリーン効果のハイオクしか手に入らないのであれば、洗浄成分ポリエーテルアミンを追加で添加することで、クリーンアップ効果に変えてしまおうというのが、このスバルPEAの考え方です。
スバル純正PEAは、
- ポリエーテルアミン75%
- 石油系溶剤25%
で構成された強力な洗浄剤。
エネオスとか出光とかコスモ石油とか、こうした混合出荷されたハイオクでも、クリーンアップ効果のハイオクになります。
また、ハイオク銘柄にこだわる必要がなくなるので、給油時のストレスもなくなると思います。
ハイオク銘柄にこだわらなくなれば、
- 価格の安いガソリンスタンド
- 利便性の高いガソリンスタンド
を利用できるようになるのは、小さくないメリットだと思います。
5000kmに一回の添加できれいが続く
どの銘柄のハイオクでも、最低限キープクリーン効果はあります。
そのため、すぐさまカーボンが堆積するということはありません。
ご安心ください。
したがって、スバルPEAを毎回の給油時に添加する必要はありません。
目安としては、おおよそ5000km毎に1本、満タン時に添加してください。
また、少しエンジンのパワーが落ちてきたような感覚になったときに、添加するのもいいですね。
直噴エンジン”DIT”にも有効
スバルの新世代エンジンである”DIT”にも有効です。
特に直噴エンジンはカーボンが溜まりやすいエンジンですから、定期的なスバル純正PEAの添加をお勧めします。
なお、直噴エンジンにPEAを添加した時の効果は、直噴の噴射ノズル近傍のカーボンを除去します。
これによりノズルをフタするように存在していたカーボンが除去されます。
そして、障害物が除去できたことで、DITエンジンの緻密な燃料噴射制御が復活し、エンジン本来のパワーが復活します。
さすがに直噴エンジンの場合、バルブ裏など、燃料が直接触れない部分の汚れまでは除去できません。
バルブ裏などに関しては別途ディーラーでの洗浄作業などが必要になります。
ただし、エンジン性能に直結するのは主にシリンダー内部の環境ですから、バルブ裏までは神経質にならなくていいでしょう。
スバルPEA 使用上の注意点
定期的なエンジンオイルの交換を！
スバル純正PEAは強力にカーボンを除去し、エンジン内部を洗浄します。
そのカーボンは、基本的には排気ガスと一緒に排出されますが、一部はエンジンオイルによって洗い流されていくことになります。
そのため、エンジンオイルが汚れやすくなる点は十分ご注意ください。
スバル純正PEAを使用時には、5000kmに一回というエンジンオイルの適切な交換タイミングを守って、愛車のメンテナンスをお願いします。
PEAの過度な高濃度添加は厳禁
PEAは洗浄剤であり、ガソリンが燃焼するときの発熱源としてはあまり期待できません。
そのため、過度な高濃度では、エンジンパワーが発揮できない可能性があります。
エンジンはガソリンの燃焼時の熱を動力源としますが、ポリエーテルアミンはあくまでも洗浄剤であり、燃料としての強力な発熱量は期待できないという意味です。
なお、ポリエーテルアミン自身も有機溶剤であり揮発性があり発火性もあります。
取り扱いには十分ご注意ください。
スバル純正PEA使用時には、メーカーが明記している濃度を厳守してください。
メーカー推奨濃度は、
満タン時に1本
です。
満タン時に2本も3本も同時に添加し、過度な高濃度は逆効果ですから、使いすぎにはご注意ください。
まとめ
ここまで、エンジン洗浄剤のスバル純正PEAについて紹介してきました。
煤の発生しやすいエンジン、つまり、
- ハイパワーエンジンであるハイオク仕様車
- 新世代スバルの直噴エンジン
は、エンジン内部がカーボンで汚れやすい環境にあります。
定期的なPEAの投入により、エンジン内部を綺麗に保つことで、長くベストコンディションで維持することができます。
また、FB25型などのポート噴射タイプのレギュラー仕様車でも、定期的にPEAを使用することで、カーボン汚れを予防できます。
レギュラーガソリンにもトルエンなど芳香族炭化水素が含まれています。
※ハイオクよりも濃度は低いですが、約8%がトルエンです。
使用頻度は5000km毎に、満タンに対し1本です。
過度な添加は逆効果ですので、その点にだけ気を付ければ、優れた洗浄効果を期待できるガソリン添加剤になっています。
以上、スバル純正PEAについて、参考になれば幸いです。
