FA20型エンジン(自然吸気)の特徴

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今回は、BRZに搭載されているFA20(自然吸気モデル)について解説します。

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FA20型自然吸気エンジンの搭載車種

FA20型エンジンの搭載車種はBRZのみです。

BRZでは、ターボモデルの設定をしないことにより、エンジン下の空間に余裕ができ、フロントドライブシャフト上に水平対向エンジンを搭載することが可能になりました。

これにより従来のスバル車の低重心性を保ったまま、前後の重量配分を最適化することに成功しました。

BRZのFA20との違い

BRZに搭載されているFA20型エンジンと型式が同じなので、BRZのエンジンがベースと言われる時があります。

しかし、ボア(シリンダー直径)×ストローク(ピストンの可動域)が86mm×86mmのスクエアエンジンであることを覗けば、共通点はほぼありません。

一般的に、ショートストロークエンジンとロングストロークうエンジン、スクエアエンジンの特性は、以下のように言われています。

ショートストロークエンジン

ショートストロークエンジンは、ボア(シリンダーの直径)>ストローク(ピストンの可動域)となります。

イメージとしては、ピストンはあまり上下運動せず、幅が広いわけですね。

ピストンのは上下運動の移動量を考えれば、少ない異動で1サイクルを行うことができます。

したがって、次々に混合気が吸気されることになります。

これにより、供給された燃料の点火した瞬間の膨張だけを利用してすぐに排気する形になるので、燃料のエネルギーを使い切ることなく、燃料の消費量が激しいため、燃費が悪いです。

逆に、高回転域になれば、ピストンの上下運動に制限されることなく、高回転域までスムーズに和わすことができるエンジンになります。

この特性をまとめると、高回転ではパワーが出ますが、低速トルクが細く、燃費が悪いエンジンとなります。

主にスポーツ志向の強いエンジンに分類され、スバルにおいてはWRX STIに搭載されているEJ20型ターボエンジンが、ショートストロークエンジンになります。

ロングストロークエンジン

ロングストロークエンジンは、ボア(シリンダーの直径)<ストローク(ピストンの可動域)となります。

幅が狭い代わりに、ピストンが大きく動くことになります。

したがって、1サイクルでピストンの移動する距離が長いため、1サイクルに時間がかかります。

このエンジンの特性としては、点火後に混合気が燃焼され、膨張するときのエネルギーを、時間をかけてしっかりと動力に変換できるのがポイントです。

したがって、供給された燃料のエネルギーを、最大限に動力に変換できるため、燃費の良いエンジンとなります。

また、低回転時のトルクの太さも魅力となります。

逆に、高回転時にはピストンの移動速度が制限となり、そもそも高回転域まで回らないエンジンとなります。

このエンジンの特性としては、低速トルクは太くなりますが、物理的に高回転までは回れません。

このロングストロークエンジンの特性をまとめると、低速トルクが太く燃費の良いエンジンとなる代わりに、高回転域まではそもそも回転できないエンジンになります。

スクエアエンジン

スクエアエンジンは、ボア(シリンダーの直径)=ストローク(ピストンの可動域)となり、ロングストロークとショートストロークの中間的な性質となります。

つまり、FA20型エンジンは、86mm×86mmとなるので、スクエアエンジンとなり、中間的な性質を持つエンジンであることが分かります。

高回転馬力を得るエンジンか、トルクで馬力を得るエンジンか

エンジンの構造的な違いとともに、エンジン特性においては、馬力を得る手法においても2分化されます。

馬力を計算する式

馬力の計算は、

馬力=定数×トルク×回転数

となります。

定数に関しては固有の定数であり、どのエンジンにおいても同じです。

車の加速は馬力で決まりますから、高馬力を得るためには、回転数を大きくするか、トルクを大きくするかの2種類に分類されます。

高回転型エンジン

高回転型エンジンは、一般的にトルクが細いです。

細いトルクでありながらも高回転まで回るエンジンにすることで、高馬力を得るエンジンです。

低速トルクの細いクルマは日常域では扱いにくいため、スポーツ向けのエンジンとなります。

高トルク型エンジン

高トルクエンジンは、エンジン回転数が低くても太いトルクによって高馬力を得るエンジンです。

トルクの太いエンジンは日常において扱いやすく、主に日常域での利用を主としたエンジンとなります。

FA20型自然吸気エンジンとFA20″DIT”の構造上の違い

BRZのFA20型をベースにターボ化されたエンジンですが、一部決定的に異なる部分があります。

それは、100%直噴エンジンであること。

BRZのFA20型自然吸気エンジンは、ご存知の通りスバルとトヨタの共同開発エンジンです。

スバルの水平対向エンジンに、トヨタのD4-Sが搭載されています。

トヨタのD4-Sは、回転域に応じて、直噴とポート噴射を切り替えるシステムであり、100%直噴エンジンとはなりません。

一方のFA20″DIT”エンジンは、スバル独自のエンジンであり、全域にわたって直噴エンジンとなります。

FA20型自然吸気エンジンとFA20″DIT”の特性上の違い

先で書いた構造上の違いにより、BRZ用のFA20型自然吸気エンジンとFA20″DIT”エンジンでは、エンジン特性そのものが異なっています。

BRZのエンジン性能曲線

まずはBRZのエンジン性能曲線をご覧ください。

全域にわたりトルクが発揮されており、最高出力発生回転数は7000rpmとなっています。

一部トルクに谷がありますが、これはトヨタD4-Sによる直噴とポート噴射の切り替えタイミングでしょう。

このように、BRZのエンジンは、全域にわたってトルクを発揮する高回転型エンジンであるといえます。

FA20″DIT”のエンジン性能曲線

次に、レガシィ”DIT”に搭載されているFA20″DIT”エンジンを見てみます。

BRZととの大きな違いは、最高出力発生回転数です。

BRZでは7000rpmだったのに対して、レガシィ用のFA20″DIT”では5600rpmになっています。

逆に、低速トルクは2000rpmから最大トルクを発揮しており、低速トルクの太さがしっかりと現われています。

このように、エンジンの型式が同じであっても、エンジン特性は全く異なるものになります。

FA20型自然吸気エンジンの歴代スペック

最後に、FA20型自然吸気エンジンの歴代スペックを紹介します。

207馬力仕様

水平対向4気筒 2.0L

最高出力:152kW(207PS)/7000rpm

最大トルク:212Nm(21.6kgf・m)/6400-6800rpm

200馬力仕様

水平対向4気筒 2.0L

最高出力:147kW(200PS)/7000rpm

最大トルク:205Nm(20.9kgf・m)/6400-6600rpm

FA20型自然吸気エンジンのまとめ

ここまで、FA20型自然吸気エンジンについて紹介してきました。

低燃費が求められる中、7000rpmまで回るエンジンは貴重な存在になってきました。

BRZに搭載されるFA20型自然吸気エンジンの場合には、馬力任せの走りではなく、どこまでもストレスなく回る高回転型エンジンであるのが魅力です。

以上、FA20型自然吸気エンジンについて、参考になれば幸いです。

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