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さて、今回はスバルが開発したトランスミッション、リニアトロニックについてです。
リニアトロニックは、一般的に言うとCVT(自動無段変速機)ですが、スバルのリニアトロニックには2つの大きな特徴があり、
- 縦置き型CVTであること
- 2.チェーン式CVTであること
が、挙げられます。
これらについて、順番に説明していきましょう。
目次
スバル リニアトロニック(CVT)の紹介動画
まずは、リニアトロニックの全体像をつかむために、次の水平対向エンジンとリニアトロニックの説明動画をご覧ください。
この動画を見てから記事を読めば、より深く理解できると思います。
特徴1:スバルのリニアトロニックは、縦置きCVTである
まずは特徴のひとつ目として、縦置きCVTであることについて注目しましょう。
スバルの特徴としては、水平対向エンジン、シンメトリカルAWDがありましたよね。
特に、シンメトリカルAWDは、パワートレインが車両中央にい一直線に並んだレイアウトが特徴です。
これにより、左右の重量バランスが均等になり、旋回性が向上します。
これに必須となるトランスミッションが、縦置き型トランスミッションなのです。
通常、CVTはFFモデルに多く搭載されています。
これはCVT自体が高出力には対応できないため、FFに用いられるエンジン出力程度のものにしか採用できなかったためです。
また、同時にCVTはコンパクトな設計が可能なため、フロントにすべてを搭載するFFレイアウトにおいてメリットがあったこともあげられます。
しかし、スバルは全モデルでリニアトロニックを搭載することになり、従来の横置き型CVTではシンメトリカルAWDが崩れることが問題になりました。
そこで、独自に縦置き型CVTとして、リニアトロニックの開発が行われました。
特徴2:リニアトロニックはチェーン式CVTである。
2つ目の特徴として、スバルのリニアトロニックはチェーン式CVTである点があります。
従来のCVTは、2つのプーリーに挟まれたメルトの巻きかけ径を変化させて無段階の変速を行う装置です。
このベルトには金属別とと駒が使われており、駒を押し出すことで動力伝達を行っていました。
CVT全般の一般的なメリットとしては、
- ・変速ショックがない
- ・最高出力発生回転数を維持して加速できるから、加速が良い
- ・エンジンの効率のいい回転数を使えるため、燃費がいい。
というのがあげられます。これらのメリットは、トンランスミッションが無段階で変速できるので、エンジン回転数の微調整が可能な点から生まれます。
しかし、デメリットも指摘されていて、
- ・加速レスポンスが悪い
- ・高速域での伝達効率が悪い
と言われています。
加速レスポンスの悪さは、動力伝達方式に依存します。
通常のAT車であれば、歯車がかみ合って伝達するのですが、CVT車はプーリーに巻きかけられたベルト上の駒によって伝達するため、ベルトの耐久性の問題で強力な加速力を瞬時に伝えられないのです。
最高出力に達するまでのエンジン出力の変化が穏やかになるのですね。
もうひとつの「高速域での伝達効率が悪い」について、デメリットといわれていますが正直微妙なところです。
デメリットといわれるのは、高速域では出力側の巻きかけ径が小さくなるので摩擦力が落ちるということですが、
摩擦伝達のCVTでは、摩擦力を発生させるのはプーリーの圧着なので、圧着力が同じなら摩擦力は同じです。
これについてはデメリットとは言い切れないでしょう。
ここでスバルのリニアトロニックの話に戻ります。
普通のCVTは、ベルトとプーリー摩擦力で伝達しますが、
スバルのリニアトロニックは、通常のCVTとは異なり、ステンレスチェーンで伝達します。
これによって、CVTのデメリットを消せるのです。
加速レスポンスについては、金属ベルトの耐久性が問題でした。
ステンレスチェーンでは、チェブーンを引っ張ることで動力伝達を行うために、加速レスポンスが良くなります。
また、ステンレスチェーンを用いることで、耐久性が向上し、400Nmまで耐えることができます。
400Nmというのは4.0L級のトルクですね。
一般的なCVTでは2.0Lが限界です。
約2倍の排気量のトルクまで対応できるようになったのですね。
その他、金属ベルトとステンレスチェーンの違いとして、ステンレスチェーンは自転車のチェーンと同じように駒がつながった形をしています。
したがって、小さく折れ曲がることができます。
これによって、小型化、軽量化が可能になります。
スバル リニアトロニック(CVT)のまとめ
スバルのリニアトロニックの特徴は2つで、
- 縦置き型CVTであること
- チェーン式CVTであること
でした。
これにより、スバルのシンメトリカルAWDへのこだわりや、耐久性の向上で高トルクの伝達が可能になったり、ダイレクトな走りが可能になりました。
一度試乗してみれば、CVTとは思えないダイレクトな加速を体感できますよ。
以上がスバル リニアトロニック(CVT)のまとめになります。