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さて、今回はスバルのターボエンジン、EJ25型ターボエンジンについてです。
WRX STIに搭載されているEJ20ターボエンジンより排気量を500ccアップさせたことで、低速トルクでの余裕や、ターボラグの改善があったエンジンです。
一番最近のモデルでは、5代目レガシィに搭載されていましたが、新開発の直噴ターボエンジンFA20″DIT”に置き換わる形でラインナップから消えました。
海外向けWRX STIには搭載されているので、まだまだ現役のエンジンです。
今回は、そんなスバルのEJ25型ターボエンジンについてまとめました。
目次
EJ25型ターボエンジンの基本スペック
EJ25型ターボエンジンは、水平対向4気筒 2.5L ターボです。
出展:http://autoc-one.jp/subaru/forester/report-655850/0002.html
詳細な分類としては、AVCS、デュアルAVCS、シングルスクロールターボ、ツインスクロールターボなどがありますが、細かい分類は後で説明するとして、この節では基本となる情報を紹介します。
EJ25型ターボエンジンのボア×ストロークは、99.5mm×79.0mmです。
ベースとなっているのはEJ20型ターボエンジンであり、ボアを7.5mm、ストロークを4mm拡大した、EJシリーズの中で最大排気量となるエンジンです。
当時のスバルのエンジンは、ショートストロークエンジンが故の、高回転パワーはあるものの、低速トルクがスカスカという万人受けするエンジンではありませんでした。
また、モデルチェンジのたびに車体が大型化する中、単純に排気量の拡大でパワーやトルクを補ったのが、EJ25型ターボエンジンと言えるでしょう。
排気量の拡大は扱いやすさだけではなく、大排気量エンジンならではのゆとりある走りに貢献。
レガシィシリーズなど、グランドツーリングをテーマとするモデルの魅力をより一層高めたエンジンと言えます。
EJ25型ターボエンジンの歴代スペック一覧
自然吸気エンジンのEJ25と同じく、スバルのラインナップの主力は2.0Lエンジンと2.0Lターボエンジンであるために、歴代モデルを通してEJ25型ターボエンジンの搭載例は非常に少ないです。
EJ25型ターボエンジンは、大きく分けて次の2種類が存在します。
- DOHC AVCS シングルスクロ-ルターボ
- DOHC デュアルAVCS シングルスクロ-ルターボ
これらについて、簡単にまとめます。
WRX STI A-Line
WRX STI A-Lineに搭載されたのは、DOHC デュアルAVCS シングルスクロールターボです。
搭載モデルの詳細スペックです。
モデル | 最高出力 | 最大トルク | 備考 | |
GR型/GV型 | WRX STI | EJ20型ターボを搭載 | ||
WRX STI A-Line | 211kW(300PS)/6200rpm | 350Nm(35.7kgf・m)/2800-6000rpm | デュアルAVCS | |
WRX STI A-Line tS (4doorのみ) | 211kW(300PS)/6200rpm | 350Nm(35.7kgf・m)/2800-6000rpm | デュアルAVCS |
なお、WRX STI A-LineはE-5ATモデルです。
6MTモデルとなるWRX STI(GRB/GVB)は、EJ20型ターボが採用されています。
AT専用モデルとなるWRX STI A-Lineでは、EJ20型ターボの低速トルクの細さの問題を、排気量を拡大することで解決しました。
AT車はMT車のようにスタート時に空吹かしからのクラッチミートができないので、低速トルクの細さの影響を大きく受けます。
ATとMTでエンジンのセッティングや仕様を変更してくるのは、ATとMTを知り尽くしたスバルだからこそなせる業と言えるでしょう。
レガシィ シリーズ
レガシィ シリーズでは、モデルによって搭載エンジンが異なります。
モデル | 最高出力 | 最大トルク | 備考 | |
BR/BM | 2.5GT系 | 210kW(285PS)/6000rpm | 350N・m(35.7kgf・m)/2000-5600rpm | デュアルAVCS |
BP(OUTBACK) | 2.5XT(限定) | 265PS/5600rpm | 35.7kgf·m/2400rpm | AVCS |
BP(TW)/BL | S402 | 210kW(285PS)/5600rpm | 392 Nm(40.0kgf・m)/2000-4800rpm | AVSC |
・BR/BM 2.5GT系について
BR型/BM型のA型~E型の2.5GTモデルにEJ25型ターボが採用されました。
レガシィにおいて最終型のEJ型ターボモデルになります。
また、MTが選べるレガシィという意味でも最終モデルでした。
BP/BL型と違いボディが大型化したBR/BMは、排気量を拡大し、車重を感じさせないグランドツアラーに仕上がっています。
・アウトバック 2.5XTについて
レガシィ アウトバック(BP型)の限定車である2.5XTに採用されたEJ25型ターボエンジンは、海外仕様のエンジンそのままです。
不当長エキマニを採用しており、スバルらしいボクサーサウンドが聞こえるエンジンです。
なお、BP型/BL型の2.0GT系に搭載されているEJ20型ターボエンジンについては、すでに等長エキマニが採用されていました。
そのため、BP型アウトバックの2.5XTは、比較的最近までボクサーサウンドを奏でていたモデルになります。
・S402について
S402では、等長エキマニを採用したほか、ツインスクロールターボを採用しました。
ツインスクロールターボの採用により、広いエンジン回転数域において効率的にターボチャージャーを作動させることができ、最高出力をそのままに、低速トルクが40.0kgf・mの大台に乗ったモデルです。
フォレスター
フォレスターに搭載されたEJ25型ターボは、全てAVCS シングルスクロールターボです。
吸気側にのみAVSCを搭載したターボエンジンです。
フォレスターに搭載されたEJ25型ターボエンジンのスペックです。
モデル | 最高出力 | 最大トルク | |
SH | tS 2010 Model | 193kW(263PS)/6000rpm | 347Nm(35.4kgf・m)/2800rpm |
SG | STI Version | 265PS/5600rpm | 38.5kgf·m/3600rpm |
・SG型STI Versionについて
元々、EJ25型ターボエンジンは海外向けのエンジンでした。
しかし、2代目となるフォレスター(SG型)のSTI Versionにおいて、日本国内モデルで初採用され、その後限定車を中心に搭載例が増えてきました。
最終的にはレガシィにおいて標準採用されるなど、EJ20型ターボと比べて日本国内での存在感は薄いエンジンですが、歴史のあるエンジンです。
・SH型tS(2010年モデル)について
フォレスターの限定車であるフォレスターtSにも搭載されました。
エンジンスペックはSG型STI versionよりも控えめになっていますが、崔ぢ亜トルク発生回転数が低くなっているので、低速トルク重視にチューニングを施したのでしょう。
フォレスターは、元々背の高いステーションワゴン、言うなればレガシィ アウトバック的な立ち位置でした。
しかし、SH型からは本格的なSUVとしてのポジションに変更され、その結果、クロカン要素を高め、最高出力よりも低速トルク重視にセッティングをっ変更したものと予想できます。
もうEJ25型ターボエンジンは搭載されない?
さて、ここで疑問に感じるのが、もうスバルにEJ25型ターボエンジンは搭載されないのかという点でしょう。
これについては、日本国内向けにおいては残念ながら搭載されないでしょう。
スバルはターボエンジンをFA20″DIT”やFB16″DIT”などの直噴ターボに置き換えています。
また、スバルが発売を開始した「アセント」ですが、こちらも2.4L直噴ターボのFA24″DIT”が搭載されているようです。
FA型エンジンは、動力性能とともに、環境性能を両立したエンジンであり、新世代スバルの象徴的エンジンになります。
したがって、もうEJ型エンジン自体が減っていくことが考えられます。
また、WRX STIが生産終了したのも、日本国内の排ガス規制に対応できなくなったためであり、アメリカにおいてはEJ25型ターボを搭載したWRX STIがいまだに販売されています。
この状況下において、日本国内にEJ20型ターボよりも排気量の大きいEJ25型ターボをラインナップに加えるのは相当厳しいでしょう。
また、アメリカで販売されているEJ25型ターボも、そのうちFAやFBのDITに置き換えられ、姿を消していくでしょう。
EJ型エンジンは、スバルの真骨頂であり、高回転まで気持ちよく回る上に信頼性も高く、カスタムパーツも多いことからファンが多いですが、もう中古車でしか手に入らないようです。